テーマ:ゲーム分析

ゲーム

ゲームというと、楽しい遊びの様に思うかもしれませんが心理では以下のことをいいます。

 

交流分析の創始者であるエリック・バーンは、こじれた人間関係やパターン化された対人トラブルを引き起こす自滅的なコミュニケーションのことを「ゲーム GAME」と定義しました。
簡単に言うと、不快な感情をもたらすコミュニケーションです。

 

このゲームは繰り返すことがあり、その原因には、幼少期の親からの ストローク剥奪(長期の孤立感・抑うつ感)が関係していることが多いともいわれています。

ゲームの目的は、過去のトラウマや自己否定的な認知によって「陽性のストローク」を受け取りにくくなっている人が、相手を悪循環のコミュニケーションに引き入れることで「陰性のストローク」を手に入れることにあるのです。

 

ゲーム(交流分析)※ストロークとは

認める為の刺激をいいます。陽性のストロークとは、肯定的な人との関わり、例えば、子供であれば、だっこされたり、抱きしめられる、褒められる、愛される、挨拶されるなどをいいます。陰性のストロークでは、暴力を振るわれる、怒鳴られるなどです。いずれも、自身の存在を認める為の刺激であるのです。

例えば、子供がお母さん呼んでもきてくれない。そして、悪さをすると、怒られるがその時はお母さんがきてくれる。

陽性のストロークのもらい方がわからず育ち、大人の今、手っ取り早い、陰性のストロークを受ける事が、自分の存在を認める刺激になっているといえるのです。 

ゲームは自身で気づくことなく行われることがあり、ゲームをしかける➡離れていく➡孤立(ストローク飢餓)➡他の人にゲームをしかける➡離れていく➡孤立・・・となりがちです。

 

ゲームの種類(9つ)についてご紹介します。

 

1. はい、でも

相手に対して指示・援助を求めつつも、相手がアドバイスや助言をしてくると、『はい、でも』という反対意見や不同意を述べるゲーム。
相手がどんな意見や提案を出しても、それに従わない反論や言い訳をしてくるので、相手はうんざりしたり無力感にとらわれたり感情的に怒ってしまったりする。

<例>

「これ教えてください」

 教えていると…

「でも、それはわかってました」

 

2. キック・ミー(私を嫌ってくれ)

挑発的な言動をして、相手の拒絶や嫌悪、怒りを無意識的に誘発するゲームで、『私はOKでない・他者はOKである(自己否定・他者肯定)』の基本的な構えを確認しようとしている。
自分に対する自信や肯定感がないので、『自分が拒絶されて処罰されるべき人間』であることを自己証明するかのように、他者に対して挑発的な発言をしたり、他者から否定されるような行動を取ったりしてしまうのである。

<例>

・人に平気で「バーカ」という。

・当たり前のように列に割り込みをする。など

 

3. 仲間われ

複数の他人に矛盾した情報を与えたり、仲違いするような悪口を伝達することで、それらの他人を対立させ喧嘩させようとするゲーム。
自分以外の複数の他者の間に仲間割れ(喧嘩・対立・嫌悪)を引き起こすことで、『自己肯定・他者否定』の基本的な構えを確認しようとしているのである。
他人同士の仲が悪くなるような情報や悪口を吹き込んだり、誰かの悪口を言っている人の嫌悪感を煽り立てるような告げ口をしたりするのが『仲間割れ』のゲームであり、このゲームを仕掛ける人は他人が醜く争い合う姿を見て『人間関係や友情には大した価値がない』という自らのネガティブな信念を補強しようとしている。

 

4. あなたのせい

自分の行動やミスに対する責任を取らずに、何か問題が起こったり上手くいかないことがあると、それらを全て他人や環境のせいにしてしまうゲーム。
『あなたのせい』のゲームの特徴は、自分の行動・選択に対して無責任な対応をする『責任転嫁(責任回避)』と、自分のミスや短所を棚に挙げて他人を厳しく非難する『他罰主義』にある。無責任な言動や他罰的な振る舞いによって、最終的には他人に嫌われることが多くなり孤立しやすくなる。

 

5. 大騒ぎ(ひどいもんだ)

自分の不幸や苦痛を『こんなにひどい状況だ』と大袈裟にアピールすることで、他人の同情や関心を集めようとするゲーム。
自分の不幸や苦痛を派手に嘆いて悲しみながらも、それらの問題状況を具体的に解決する行動は取らずに、『自分がどれだけ酷い状況にあるか』を訴えて大騒ぎすることになる。病気の症状や苦しみを利用して『社会的な責任』を逃れたり、自分の不幸や問題を強くアピールすることで『他者の支援・同情』を引き出したりするが、最終的には『大袈裟な人・狼少年』といった認知を持たれて誰からも相手にされなくなることも多い。

 

6. 決裂

他人と激しく口論や争いをした後に、説得・相互理解の可能性を諦めて、『決裂のポーズ』を取って相手を無視するというゲーム。
お互いに『自分はOKでない・相手もOKではない(自他否定)』の基本的な構えを確認するために行うゲームであり、相手との個人的な親密な関係に入ることへの恐怖感が影響していることも多い。
決裂のゲームは『決裂と関係の修復』を延々と繰り返すケースも見られる。

 

7. 粗探し

どうでもいいような相手の些細なミスや失敗、欠点を探し出して非難しようとするゲーム。
上司の部下に対する陰湿ないじめ、姑の嫁の家事のやり方に対する細々とした非難、先輩の後輩に対するしごき、不満の多い客の店へのクレームなどで、『粗探し』のゲームが繰り返されることが多い。
『粗探し』は、『他人はOKではない』という他者否定の構えを確認することで、自分を肯定しようとする動機づけによって行われるゲームである。

 

8. 苦労性

無理をして過大な責任を背負い込んだり、複数の役割や仕事を引き受けたりすることで、自分を追い込みいつも疲労困憊してしまうというゲーム。
幼少期の要求水準(期待度)の高い親子関係によって形成された『完全主義・強迫観念』が影響しているゲームだが、自分の能力・体力の限界を考えずにあれもこれも完璧にやろうとした挙句、心身の疲労が蓄積して倒れてしまうことも多い。物事に熱中し過ぎる凝り性の人に多いが、自分の体力の限界に配慮しないため、結局、生産的な結果を出せずに終わってしまうことも多い。

 

9. 精神療法

患者が『医師の無能さ・役に立たないこと』を証明しようとする。
精神療法のゲームをしている人は、自分の病気を治せないという挫折感を医師・看護師に与えるためにドクターショッピングをしていたりするが、そのゲームの根底にある心理は『親に対する怒り・不満・復讐心』であると考えられている。

医師に限らず、立場的に上の人に対してゲームを起こす。

カウンセリングにおいてならば、自分を変えたいと思いながら、カウンセラーの粗さがしや知ったかぶりした関わり、クレーマー的な関わりを起こすため、カウンセラーも離れ、別のカウンセリングでも同じことを繰り返し、結果、自分自身を変えられない、孤立する状態に陥りやすい。

 

以上、ゲームについてでした。

ゲームをする自分に気づき、変えていきたい場合は、自分の内面に向き合い、認知行動療法や催眠療法の心理療法も選択肢として取り組んでいくことも良いかもしれません。

 

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昇華

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中の「昇華」についてご紹介します。

 

「昇華」とは、社会的に実現不可能(反社会的)な性的欲求や攻撃欲求などの本能的衝動を、社会的に容認される別の高次な目標に形を変えて自己実現を図ろうとすることです。欲求不満や葛藤を前向きに対処していく点で防衛機制の中で最も適応的であり、自分を成長・向上させていくことに役立つと考えられます。

 

昇華の具体例としては、

・失恋した苦しみの体験をもとに本を書く

・いじめられた体験を活かし、サポートする活動に力を入れる

・仕事上のストレスをマラソンで発散する

・社会に対する不満をブログやSNSで発信していく

・容認されない性的嗜好の欲求を芸術作品によって表現する

などがあげられます。

 

怒りによる攻撃願望などにより本能の赴くままに衝動的に行動することから自分を守り、かつ別の高いレベルの行動に変換することにより達成感や満足感を得ることができる昇華は、社会的にも望ましい防衛と言えます。

多くの防衛機制と異なり意識して行われるものですので、精神的に健康で、ある程度こころが成熟していないと用いることができない防衛でもありますが、練習することで身に着けていくことも可能な防衛機制でもあります。

 

今回は、防衛機制の中でも意識して用いることができる「昇華」について紹介しました。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

▶その他の防衛機制

 

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逃避

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中の「逃避」についてご紹介します。

 

「逃避」とは、自分自身の存在を不快な現実から心理的にも物理的にも遠ざけ、現実から目をそらすことで精神の安定を得ようとする心の働きです。

逃避は以下の4つの形態に分けることができます。

 

  1. 1.退避

自己の評価の低下が予想される不安な場面を回避する

2.現実への逃避

適応が困難な場面やストレス状況に直面するのを避けて、それとは関係のない別の行動を始め、それに没頭することによって不安を解消する

3.空想への逃避

現実から自由な空想の世界へ逃げて、現実には満たされない自己実現を夢見ることで代償的満足を得る

4.病気への逃避

病気を理由に困難な状況から逃れる。仮病とは異なり、身体症状に現れる。

 

逃避の具体例には、

・プレゼン資料が間に合わなかったので、会社を休む(退避)

・かけっこが嫌なので運動会の日に学校を休む(退避)

・試験勉強中に部屋の模様替えを始める(現実への逃避)

・家庭内に悩みのある夫が仕事に没頭する(現実への逃避)

・二次元のアイドルに恋をする(空想への逃避)

・学校、会社に行こうとすると腹痛がする(病気への逃避)

などがあります。

 

防衛機制は、自分を守るための重要な手段でありますが、逃避は目の前の問題や状況を先延ばしにする行為であり、問題の根本的な解決に至るものではありません。

 

効果的な逃避行動からは、一時的に気が紛れ、気分が変わるリフレッシュ効果を得ることができますが、逃避に依存しすぎて不快や不安に直面することから逃げ続けることは望ましい姿とは言えず、特に逃避先が病気である場合、原因不明の体調不良が続き生活に支障が出ることもあります。

逃避による適度なリフレッシュの後は本来の課題に戻る、状況や問題と向き合って解決を図る、などが必要なケースもあるでしょう。

 

今回は、防衛機制の「逃避」についてご紹介しました。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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「同一化(同一視)」「取り入れ」

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中の「同一化(同一視)」と同一化の前段階にある「取り入れ」についてご紹介します。

 

同一化(同一視)

「同一化(同一視)」とは、自分にない優れた能力や名声を持つ他者を真似て自分を近づけることで自分自身の価値を高めたり、劣等感やコンプレックスから逃れようとしたりするものです(同一化)。

また、自分自身の存在自体を対象となる他者に重ね合わせ、他者や他者の状況を自分のことのように感じたり考えたりします(同一視)。

 

取り入れ

「取り入れ」は、他者の内にある考え方、価値観、感情などを自分の内に取り入れ、自分のものとする心の働きです。他者の一部を取り入れて真似るもので、発達過程においては、親や周囲の人間の好ましく感じる部分を取り入れることが多いため、道徳心や良心の形成に役立つものでもあります。

「取り入れ」が、他者の思考などを断片的に取り入れるのに対し、「同一化」は、自己と他者の区別がつかなくなるほど多くを取り入れるため、自分がその他者であるかのように感じてしまいます。

 

具体例には、
同一視の具体例(必ずしも全ての言動に言えるものではありません)

・芸能人など有名人と共通点があること(出身校が同じ、話したことがあるなど)を自慢する

・親の肩書や功績をあたかも自分のものであるかのように自慢する
・自身の肩書き(出身校、職歴など)を表に出す、自慢する

・アニメなどのコスプレをしてヒーローになりきる

・子どもを亡くした母親が、亡くなった子どもと同化して生きる

・憧れのスターの服装や髪型、話し方など一挙手一投足に至るまでそっくりに振舞う

・そのスターの活躍や世間からの賞賛を自分に与えられたものと感じ満足する

・クラスの人気者と話をすると、自分も人気者になったような気がする

 

・失恋したとき、映画のヒロインに自分を重ね合わせ、悲劇のヒロインとなる

・大人の世界を取り入れた子どものごっこ遊び

 

取り入れの具体例

・自分に自信のない人が威圧的な上司の真似をして部下を虐める

・憧れの有名人と同じダイエット法にのめりこむ

・好きな女優のメイクを真似する

などがあげられます。

 

子どもは、親の姿から何かしら取り入れることにより、社会に適応するスキルを身に着けていくものです。そのような意味で取り入れや同一化のプロセスは、人間の成長には欠かせないものとも言えるでしょう。また、趣味やスポーツ、仕事上のスキルなども手本となる他者を真似てみることで自分を向上させることができるものです。

 

一方で、他者を真似ることで自分を守り続けていると、自他の区別がつきにくくなり主体性のなさに繋がることも考えられますので注意が必要な場合もあります。

防衛機制は、辛く、受け入れられない出来事や考えから自分を守るために誰もが無意識に取り入れている手段であり、決して「悪いもの」ではありません。

 

しかし、自分がどのような防衛機制を使いがちであるか、どのような時にどのような反応をしがちなのかを知ることは、自分自身を理解するうえで重要なポイントと言えるでしょう。

今回は防衛機制の「同一化(同一視)」と「取り入れ」についてご紹介しました。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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「投影」「投影性同一視」

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中の「投影」と関連する「投影性同一視」についてご紹介します。

 

投影
「投影」とは、自分の中にある受け入れ難い感情や衝動、劣等感、認めたくない人格などを、自分が持っているのではなく他者が持っていると思いこむ心の働きです。他者に転嫁することで、それらの自分にとって好ましくない感情などを正当化したり、相手も同じものを持っているという安心感を得ようとするものです。

 

投影の具体例(この例の行動をとる人全てに当てはまるものではありません)には、

・片思いの相手が自分を好きに違いないと思いこむ。相手のある言動などを捉えて、好意があると思い込み安心する

・「あの人は私にライバル意識を抱いている」(劣等感やライバル意識を抱いているのは自分)

・「私はAさんに絶対嫌われている」(自分がAさんに苦手意識を持っている)

・(攻撃しているのは自分であるのに)自分は被害者だと思いこむ

・「誰も自分を信用してくれない」(自分が他人を信用できない)

・「上司が自分を評価してくれない」(自分が自分を評価していない)

などがあります。

 

投影性同一視
「投影性同一視」も投影と同様に、受け入れ難く、悪い自分として過去に無意識化に抑圧した自分の一部を他者に転嫁し、自分の中にある認めがたい部分と直面する苦痛から逃れようとする心の働きです。さらに投影性同一視は、他者に自分の好ましくない感情(思考、行動など)を投げかけた上で、それについて何かを言う、態度や表情で示すなどして他者を操作し、その好ましくない感情(思考、行動など)を他者も持つように仕向けます。

投影された他者はそれに影響を受け、実際にその好ましくない感情(思考、行動など)を持っていると感じたり、そのように振る舞ったりするようになります。この点が、単なる投影とは異なる点です。

 

投影性同一視の具体例は、

・仕事のできない上司が部下に、「ダメ社員」「無能」などの暴言で激しく叱責する

→部下も、自分は無能でダメな人間なのではと思いはじめる

 

・健康に不安のあるAさんが、Bさんのちょっとした体の不調に過敏に反応し、あれこれ大げさに口を出す

→Bさんは強い不安を感じ、複数の病院を回るようになってしまった

 

・Aさんが嫌いという気持ちがどこかにある→私はAさんに嫌われている(投影)

→Aさんに対し「私のこと嫌いでしょ」などと言う、ぎこちない態度で接するなどをしているうちに、本当にAさんから嫌われてしまう

 

などがあげられます。

 

このように、他者の何故か気に障るところ、いらいらする部分などが、実は自分に対するコンプレックスや劣等感、過去に抑圧した自分の嫌いな部分であったりすることは少なくありません。

そのような視点で自分を眺めてみることで、新たな気づきが生まれることもあるでしょう。

 

また、投影性同一視は自我が未熟な人が使う防衛機制とされています。この防衛を繰り返す人は、自分を「良い自分」と「悪い自分」に区別し、「悪い自分」は他者に投影し引き取ってもらい、「良い自分」だけが自分であるとして安心感を得ているという特徴があります。「悪い自分」と抑圧した自分と向き合っていくことが必要な場合もあるかもしれません。

人は誰でも、自分自身を守るために、多かれ少なかれ防衛機制を使いながら生活しており、防衛自体が「悪いもの」ではありません。しかし、過度に防衛に依存し、問題や課題と対峙することを避けることが、さらなる望ましくない状況を生み出してしまうこともあるでしょう。

どのような防衛機制を、どんな場面で使っているかは人それぞれであり、それを知っていくことが自分自身を理解するうえでも大変役に立つと考えられます。

 

今回は防衛機制の「投影」と「投影性同一視」についてご紹介しました。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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知性化・合理化

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中でも、知性的な分析や合理的な思考といった論理的な機能が働く「知性化」と「合理化」についてご紹介します。

 

知性化

「知性化」とは、受け入れ難い出来事や状況、感情などを、知識を用いて頭で理解しようとする心の働きです。不快な感情や衝動を直接意識するのを避けるために、知性の働きによって客観的に理解し処理しようとします。

 

・振られてしまったときに、日本の成人男性の未婚率は○○%だから仕方のないことだ、と自分を納得させる

・就職活動に失敗してしまったとき、最近は大企業に就職することだけが成功とは言えない世の中だから大丈夫、と考える

・可愛がっていたペットが死んでしまったとき、この子は平均寿命より長生きしたんだから、と自分に言い聞かせる

などが知性化の例です。

 

感情が大きく揺さぶられるのを避けるために、知性化によって理性的に行動を制御できることは、社会に適応して生きていく上で役に立つ防衛の手段とも言えるでしょう。

一方で、知性化の防衛に頼りすぎると、ありのままの感情を全く表現しない、無感情・無表情の人といった印象を与えるかもしれません。

 

合理化

「合理化」は、受け入れ難い出来事や満たされない欲求に対して、もっともらしい理由や説明を加えて正当化し自分自身を納得させようとすることです。辛い現実について自分なりの答えや解釈によって対処しようとします。

 

合理化の具体例には、

・自分がこんな性格になったのは全部親のせいだ、と考える

・欲しい服があるがお金がないので買えないとき、色が少し微妙だったから買わなくて正解だった、と考える

・恋人に振られたときに、お父さんもお母さんもあまり気に入っていない人だったからこれで良かった、と思い込む

・上司に叱られたことを占いのせいにする

・子どもを叩いてしまうことを躾のためと理由付けする

などがあります。

 

知性化が知識や知性を用いるのに対し、合理化は、やや自分に都合の良い理由や理屈により、受け入れ難い現実を正当化しようとします。

言ってみれば、どのようにも合理化は可能なので、普段多くの人が用いている防衛機制のうちの一つでもあります。

一時的に負の感情を避けることに役立ちますが、何についても合理化してしまい、問題の本質から目を背け続けてしまう場合には少し注意が必要かもしれません。

今回は、防衛機制の「知性化」と「合理化」についてご紹介しました。

困難な状況で、いつも理屈っぽく考えているな、自分に言い訳ばかりしているな、と感じる人は、知性化や合理化で防衛を図っているのかもしれません。

防衛機制は、決して「悪いもの」ではありませんが、自分を理解するうえで、困難な状況に陥ったり、苦痛を感じたりしたときにどのような反応をしがちなのかを知ることは大変役立つことでしょう。

 

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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退行

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中の「退行」についてご紹介します。

 

「退行」とは、受け入れ難い状況や衝動、危機的状況などに晒された時に、過去の発達段階に戻り欲求を満たそうとしたり、現実に起こっていることと直面することを回避しようとしたりする無意識の反応です。

弟また妹ができた幼児が、それまで出来ていたことが出来なくなったり、赤ん坊のようにふるまったりする「赤ちゃん返り」も退行による防衛機制と言えます。赤ちゃんのように振舞うことで、弟や妹に向いてしまった親の関心を取り戻そうとする心の働きなのです。

退行の具体例としては、

・幼児の赤ちゃん返り

・失恋のショックから部屋に閉じこもる

・パートナーから片時も離れることのできない夫または妻

・癇癪をおこしたり、泣きじゃくったり、感情のコントロールが出来ない

・ひきこもりの人の依存的態度や攻撃的態度

などがあげられます。

 

それまで出来ていた日常生活の能力が急に低下し、感情の制御が困難な様子などが見られるときには、何らかの原因により退行が起きている可能性があります。身を置いている環境や周囲の人間関係など、現在の自分を取り巻く状況を見直してみることが改善への一歩になるかもしれません。

今回は、防衛機制の「退行」についてご紹介しました。

防衛機制は、辛く、受け入れられない出来事や考えから自分を守るために誰もが無意識に取り入れている手段であり、決して「悪いもの」ではありません。

しかし、過度に防衛に依存することで、本来の問題の解決への道を閉ざしてしまうこともあります。

時には自分の本当の感情や欲求と向き合ってみることが望ましいでしょう。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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反動形成

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中の「反動形成」についてご紹介します。

 

無意識の中に「抑圧」された感情や欲求、考えなどが、それとは正反対の行動や態度に現れることを「反動形成」と言います。

正反対の傾向を強調することで、受け入れがたい衝動や感情を制御する心の働きであり、無意識下の感情などが意識や行動に現れないように抑圧を強化する働きをします。

憎んでいるのに愛しているような態度をとるなど、本心と裏腹なことをしたり言ったりすることで、憎しみという否定的な感情を覆い隠そうとするものです。

 

反動形成の例としては、

・みなが嫌がる仕事を進んで引き受ける

・大嫌いな上司に対して、愛想よく馬鹿丁寧に接する

・好きな異性に対してそっけない態度で接してしまう

・知らないことについて知ったかぶりをする

・憎い親の介護を懸命にする

などがあります。

 

本心とは正反対の態度や行動をとり続けるため、それ自体がストレスの原因になったり、本来の自分の感情や欲求を捻じ曲げることから自分を見失うことに繋がったりすることがあります。

本当の自分の感情ととっている行動が合致していないと感じることがあるなら、反動形成により、感情を制御しコントロールしていることを疑ってみるとよいかもしれません。

 

今回は、防衛機制の「反動形成」についてご紹介しました。

防衛機制は、辛く、受け入れられない出来事や考えから自分を守るために誰もが無意識に取り入れている手段であり、決して「悪いもの」ではありません。

しかし、本心とは違う行動を続けることで無理が重なると、心の不調に繋がり、社会生活に支障をきたすこともあります。そのような時には、自分の本当の感情や欲求と向き合い、覆い隠すのではない別のやり方を模索してみるのも良いかもしれません。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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打ち消し

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中の「打ち消し」についてご紹介します。

 

「打ち消し」とは、他者に対しての、自分で容認し難い行為や考えや感情を、それらとは真逆の行為または似たような行為をして、なかったことにしたり補ったりしようとする行動のことを言います。自らがしてしまったそうした行為がもたらす不安や罪悪感などの負の感情から逃れるための、無意識の反応です。

 

打ち消しの具体例には、

・夫婦喧嘩をした翌日の食事が豪華になる

・忙しくて子どもにかまってあげられない母親が、子どもの欲しがるものを過度に買い与える

・理不尽に叱りつけてしまった部下に優しく接してご機嫌をとる

・浮気をした夫(妻)が妻(夫)に対して優しくなる

・悪口を言った対象に必要以上に優しく丁寧に接する

・高額で大きな買い物の後に、細々した必要のないものを買い足す(負の感情の分散)

などがあります。

 

打ち消しは、多くの人が用いているだろう防衛機制のうちの一つです。

私たちは、打ち消しによって負の感情から逃げることが出来るかもしれませんが、相手にしてみると矛盾を感じ、ぎこちなく見える行動と言えるかもしれません。

また打ち消しは、こうであるべきだという自己の理想像と現実の自分の行いとのギャップを補う働きをし、過去の失敗や過ちに対し自責の念が強い人により多く現れる傾向があります。

 

今回は、防衛機制の「打ち消し」についてご紹介しました。

防衛機制は、決して「悪いもの」ではありません。

しかし、過度に防衛に依存し事実をカモフラージュすることで、本来の問題の解決への道を閉ざしてしまうこともあります。

時には自分の本当の感情や欲求と向き合ってみることが望ましいでしょう。

 

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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抑圧・抑制・否認

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、最も基本的な防衛機制とされる「抑圧」と、類似する「抑制」「否認」についてご紹介します。

 

抑圧

「抑圧」とは、受け入れ難く不快な体験の記憶や感情、考えを意識から締め出して無意識に隔離し、意識に上ってこないようにすることです。

他人に指摘されても思い出すのが難しいほど、それらの記憶や感情は心の奥深くに押し込められますが、すっかり消えてしまうわけではなく無意識下にとどまっています。

抑圧の具体例としては、

・幼少期の親からのひどい虐待の記憶が全くない

・ひどいいじめにあっている子どもが、いじめられていないと言う

・紹介する人の名前が瞬間的に全く出てこない(その対象の人に対して無意識の否定的な感情がある)

・気乗りしない友人との約束の日を完全に忘れてしまっていた

・好きじゃないおかずの存在を完全に忘れていた(目の前に置かれているのに気づかない)

など。

受け入れ難い状況から逃れるために抑圧は助けになることもありますが、抑圧された記憶や感情は夢の中で蘇ったり、身体症状に表れたりすることもあるので注意が必要なこともあります。

 

抑制

「抑圧」に類似する防衛機制に「抑制」があります。

「抑制」は、意識的に不安や不快を感じるような出来事などを考えないようにしたり、願っても叶いそうもないと思われることについて考えるのを避けたりすることです。

意識的にそれらと距離を置く点が「抑圧」と異なります。

抑制の具体例としては、

・仕事に没頭して失恋したことを考えないようにする

・嫌なことを忘れて楽しいことを考えようと努める

・相手の嫌なところを見ずに、良いところに注目するようにする

などがあり、社会の中でうまく適応していくために役に立つ防衛機制でもあります。

 

否認

「否認」は、受け入れ難い現実や、不安やストレスの原因となる不快な出来事から目をそらし現実を認識しないようにすることです。視界に入っているのに「見えてない」、知っているはずなのに「知らない」というように、知覚しているのにその現実や出来事を頑なに認めません。

「抑圧」が出来事自体を意識から排除してしまうのに対して、「否認」は知覚したうえで認めないのが異なる点です。

否認の具体例には、

・依存症の人がその事実を認めず、周囲がおかしいと訴える

・大きな病気を宣告されたにも関わらず、自分は健康であると思い込む

・振られたことを認められず、うまくいくという占いなどの意見を頼る。周りの諦めた方がいいという人は否定する

などがあげられます。

 

ストレス場面において、無意識のうちに否認を用いて心の安定を保つことができた経験を持っている人は少なくないはずです。危機的場面を乗り越えるときに、現状を否認することで本来の力以上の能力を発揮できることもあるでしょう。

しかし、多くの場合、否認を克服していくことが望ましいようです。現実と向き合うことで根本的な問題を解決し、前向きな一歩を踏み出すことが出来ると考えられるからです。

今回は、防衛機制の「抑圧」「抑制」「否認」についてご紹介しました。

防衛機制は、辛く、受け入れられない出来事や考えから自分を守るために誰もが無意識に取り入れている手段であり、決して「悪いもの」ではありません。

しかし、頻繁に繰り返すことでその人の思考や行動のパターンとなって定着し、生活に支障をきたすようになることもありますので、時には自分の現状や本当の感情、欲求と向き合ってみることが望ましいかもしれません。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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