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退行

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中の「退行」についてご紹介します。

 

「退行」とは、受け入れ難い状況や衝動、危機的状況などに晒された時に、過去の発達段階に戻り欲求を満たそうとしたり、現実に起こっていることと直面することを回避しようとしたりする無意識の反応です。

弟また妹ができた幼児が、それまで出来ていたことが出来なくなったり、赤ん坊のようにふるまったりする「赤ちゃん返り」も退行による防衛機制と言えます。赤ちゃんのように振舞うことで、弟や妹に向いてしまった親の関心を取り戻そうとする心の働きなのです。

退行の具体例としては、

・幼児の赤ちゃん返り

・失恋のショックから部屋に閉じこもる

・パートナーから片時も離れることのできない夫または妻

・癇癪をおこしたり、泣きじゃくったり、感情のコントロールが出来ない

・ひきこもりの人の依存的態度や攻撃的態度

などがあげられます。

 

それまで出来ていた日常生活の能力が急に低下し、感情の制御が困難な様子などが見られるときには、何らかの原因により退行が起きている可能性があります。身を置いている環境や周囲の人間関係など、現在の自分を取り巻く状況を見直してみることが改善への一歩になるかもしれません。

今回は、防衛機制の「退行」についてご紹介しました。

防衛機制は、辛く、受け入れられない出来事や考えから自分を守るために誰もが無意識に取り入れている手段であり、決して「悪いもの」ではありません。

しかし、過度に防衛に依存することで、本来の問題の解決への道を閉ざしてしまうこともあります。

時には自分の本当の感情や欲求と向き合ってみることが望ましいでしょう。

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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