テーマ:ゲーム分析

ゲーム

ゲームというと、楽しい遊びの様に思うかもしれませんが心理では以下のことをいいます。

 

交流分析の創始者であるエリック・バーンは、こじれた人間関係やパターン化された対人トラブルを引き起こす自滅的なコミュニケーションのことを「ゲーム GAME」と定義しました。
簡単に言うと、不快な感情をもたらすコミュニケーションです。

 

このゲームは繰り返すことがあり、その原因には、幼少期の親からの ストローク剥奪(長期の孤立感・抑うつ感)が関係していることが多いともいわれています。

ゲームの目的は、過去のトラウマや自己否定的な認知によって「陽性のストローク」を受け取りにくくなっている人が、相手を悪循環のコミュニケーションに引き入れることで「陰性のストローク」を手に入れることにあるのです。

 

ゲーム(交流分析)※ストロークとは

認める為の刺激をいいます。陽性のストロークとは、肯定的な人との関わり、例えば、子供であれば、だっこされたり、抱きしめられる、褒められる、愛される、挨拶されるなどをいいます。陰性のストロークでは、暴力を振るわれる、怒鳴られるなどです。いずれも、自身の存在を認める為の刺激であるのです。

例えば、子供がお母さん呼んでもきてくれない。そして、悪さをすると、怒られるがその時はお母さんがきてくれる。

陽性のストロークのもらい方がわからず育ち、大人の今、手っ取り早い、陰性のストロークを受ける事が、自分の存在を認める刺激になっているといえるのです。 

ゲームは自身で気づくことなく行われることがあり、ゲームをしかける➡離れていく➡孤立(ストローク飢餓)➡他の人にゲームをしかける➡離れていく➡孤立・・・となりがちです。

 

ゲームの種類(9つ)についてご紹介します。

 

1. はい、でも

相手に対して指示・援助を求めつつも、相手がアドバイスや助言をしてくると、『はい、でも』という反対意見や不同意を述べるゲーム。
相手がどんな意見や提案を出しても、それに従わない反論や言い訳をしてくるので、相手はうんざりしたり無力感にとらわれたり感情的に怒ってしまったりする。

<例>

「これ教えてください」

 教えていると…

「でも、それはわかってました」

 

2. キック・ミー(私を嫌ってくれ)

挑発的な言動をして、相手の拒絶や嫌悪、怒りを無意識的に誘発するゲームで、『私はOKでない・他者はOKである(自己否定・他者肯定)』の基本的な構えを確認しようとしている。
自分に対する自信や肯定感がないので、『自分が拒絶されて処罰されるべき人間』であることを自己証明するかのように、他者に対して挑発的な発言をしたり、他者から否定されるような行動を取ったりしてしまうのである。

<例>

・人に平気で「バーカ」という。

・当たり前のように列に割り込みをする。など

 

3. 仲間われ

複数の他人に矛盾した情報を与えたり、仲違いするような悪口を伝達することで、それらの他人を対立させ喧嘩させようとするゲーム。
自分以外の複数の他者の間に仲間割れ(喧嘩・対立・嫌悪)を引き起こすことで、『自己肯定・他者否定』の基本的な構えを確認しようとしているのである。
他人同士の仲が悪くなるような情報や悪口を吹き込んだり、誰かの悪口を言っている人の嫌悪感を煽り立てるような告げ口をしたりするのが『仲間割れ』のゲームであり、このゲームを仕掛ける人は他人が醜く争い合う姿を見て『人間関係や友情には大した価値がない』という自らのネガティブな信念を補強しようとしている。

 

4. あなたのせい

自分の行動やミスに対する責任を取らずに、何か問題が起こったり上手くいかないことがあると、それらを全て他人や環境のせいにしてしまうゲーム。
『あなたのせい』のゲームの特徴は、自分の行動・選択に対して無責任な対応をする『責任転嫁(責任回避)』と、自分のミスや短所を棚に挙げて他人を厳しく非難する『他罰主義』にある。無責任な言動や他罰的な振る舞いによって、最終的には他人に嫌われることが多くなり孤立しやすくなる。

 

5. 大騒ぎ(ひどいもんだ)

自分の不幸や苦痛を『こんなにひどい状況だ』と大袈裟にアピールすることで、他人の同情や関心を集めようとするゲーム。
自分の不幸や苦痛を派手に嘆いて悲しみながらも、それらの問題状況を具体的に解決する行動は取らずに、『自分がどれだけ酷い状況にあるか』を訴えて大騒ぎすることになる。病気の症状や苦しみを利用して『社会的な責任』を逃れたり、自分の不幸や問題を強くアピールすることで『他者の支援・同情』を引き出したりするが、最終的には『大袈裟な人・狼少年』といった認知を持たれて誰からも相手にされなくなることも多い。

 

6. 決裂

他人と激しく口論や争いをした後に、説得・相互理解の可能性を諦めて、『決裂のポーズ』を取って相手を無視するというゲーム。
お互いに『自分はOKでない・相手もOKではない(自他否定)』の基本的な構えを確認するために行うゲームであり、相手との個人的な親密な関係に入ることへの恐怖感が影響していることも多い。
決裂のゲームは『決裂と関係の修復』を延々と繰り返すケースも見られる。

 

7. 粗探し

どうでもいいような相手の些細なミスや失敗、欠点を探し出して非難しようとするゲーム。
上司の部下に対する陰湿ないじめ、姑の嫁の家事のやり方に対する細々とした非難、先輩の後輩に対するしごき、不満の多い客の店へのクレームなどで、『粗探し』のゲームが繰り返されることが多い。
『粗探し』は、『他人はOKではない』という他者否定の構えを確認することで、自分を肯定しようとする動機づけによって行われるゲームである。

 

8. 苦労性

無理をして過大な責任を背負い込んだり、複数の役割や仕事を引き受けたりすることで、自分を追い込みいつも疲労困憊してしまうというゲーム。
幼少期の要求水準(期待度)の高い親子関係によって形成された『完全主義・強迫観念』が影響しているゲームだが、自分の能力・体力の限界を考えずにあれもこれも完璧にやろうとした挙句、心身の疲労が蓄積して倒れてしまうことも多い。物事に熱中し過ぎる凝り性の人に多いが、自分の体力の限界に配慮しないため、結局、生産的な結果を出せずに終わってしまうことも多い。

 

9. 精神療法

患者が『医師の無能さ・役に立たないこと』を証明しようとする。
精神療法のゲームをしている人は、自分の病気を治せないという挫折感を医師・看護師に与えるためにドクターショッピングをしていたりするが、そのゲームの根底にある心理は『親に対する怒り・不満・復讐心』であると考えられている。

医師に限らず、立場的に上の人に対してゲームを起こす。

カウンセリングにおいてならば、自分を変えたいと思いながら、カウンセラーの粗さがしや知ったかぶりした関わり、クレーマー的な関わりを起こすため、カウンセラーも離れ、別のカウンセリングでも同じことを繰り返し、結果、自分自身を変えられない、孤立する状態に陥りやすい。

 

以上、ゲームについてでした。

ゲームをする自分に気づき、変えていきたい場合は、自分の内面に向き合い、認知行動療法や催眠療法の心理療法も選択肢として取り組んでいくことも良いかもしれません。

 

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