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知性化・合理化

防衛機制
私たちは、葛藤や脅威などの体験により、恥、劣等感、不安、罪悪感など様々な心理的苦痛や不快な衝動、感情の体験をします。そしてそれらの感情体験を無意識のうちに弱めたり、避けたりすることにより精神的な安定を保って生きています。

このために用いられる心理的メカニズムのことを、防衛機制(defence mechanism)と言います。

欲求が何かの妨害のために満たされなく耐え難い時や、心に負った傷をなかったことにしたいなどの欲望に対してもこの防衛機制は発動します。

防衛機制は、私たちが外からの課題や内的欲求に対処しながら生きていくうえで大切な役割を果たしており、適応機制とも呼ばれています。

 

ここでは、防衛機制の中でも、知性的な分析や合理的な思考といった論理的な機能が働く「知性化」と「合理化」についてご紹介します。

 

知性化

「知性化」とは、受け入れ難い出来事や状況、感情などを、知識を用いて頭で理解しようとする心の働きです。不快な感情や衝動を直接意識するのを避けるために、知性の働きによって客観的に理解し処理しようとします。

 

・振られてしまったときに、日本の成人男性の未婚率は○○%だから仕方のないことだ、と自分を納得させる

・就職活動に失敗してしまったとき、最近は大企業に就職することだけが成功とは言えない世の中だから大丈夫、と考える

・可愛がっていたペットが死んでしまったとき、この子は平均寿命より長生きしたんだから、と自分に言い聞かせる

などが知性化の例です。

 

感情が大きく揺さぶられるのを避けるために、知性化によって理性的に行動を制御できることは、社会に適応して生きていく上で役に立つ防衛の手段とも言えるでしょう。

一方で、知性化の防衛に頼りすぎると、ありのままの感情を全く表現しない、無感情・無表情の人といった印象を与えるかもしれません。

 

合理化

「合理化」は、受け入れ難い出来事や満たされない欲求に対して、もっともらしい理由や説明を加えて正当化し自分自身を納得させようとすることです。辛い現実について自分なりの答えや解釈によって対処しようとします。

 

合理化の具体例には、

・自分がこんな性格になったのは全部親のせいだ、と考える

・欲しい服があるがお金がないので買えないとき、色が少し微妙だったから買わなくて正解だった、と考える

・恋人に振られたときに、お父さんもお母さんもあまり気に入っていない人だったからこれで良かった、と思い込む

・上司に叱られたことを占いのせいにする

・子どもを叩いてしまうことを躾のためと理由付けする

などがあります。

 

知性化が知識や知性を用いるのに対し、合理化は、やや自分に都合の良い理由や理屈により、受け入れ難い現実を正当化しようとします。

言ってみれば、どのようにも合理化は可能なので、普段多くの人が用いている防衛機制のうちの一つでもあります。

一時的に負の感情を避けることに役立ちますが、何についても合理化してしまい、問題の本質から目を背け続けてしまう場合には少し注意が必要かもしれません。

今回は、防衛機制の「知性化」と「合理化」についてご紹介しました。

困難な状況で、いつも理屈っぽく考えているな、自分に言い訳ばかりしているな、と感じる人は、知性化や合理化で防衛を図っているのかもしれません。

防衛機制は、決して「悪いもの」ではありませんが、自分を理解するうえで、困難な状況に陥ったり、苦痛を感じたりしたときにどのような反応をしがちなのかを知ることは大変役立つことでしょう。

 

最後までお読みいただき有難うございました。

 

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