心のクセに気づいて適応的な思考に~
普段、ついつい考えてしまうこと。それが悩みをもたらすことになっていることもあります。しかし、ついつい考えてしまうことであるため、あたかも、その考えも含めて、出来事・現実に起きていることと感じることもあるかもしれません。自分の心のクセに気づき、役立たない状況でどう考え、どう行動に繋げることが望ましいのか。この様な取組みも認知行動療法の一つです。
以下は、認知の偏りのパターンといわれるものです。思考に対して、良い悪いというよりも、自分にとって偏りがあるのかないのかといった見方をします。常に心のポジションは変化しているもので、心理ポジションにより、偏りも大きくなったり小さくなったりするものです。
悩んでいること、悩みがちなことについて、あてはまるものはないでしょうか?
認知の偏りのパターン
◆二分割思考(全か無か思考、白か黒か思考)
◆マイナス化思考(肯定面の否認)
◆拡大解釈・過小評価
◆極端な一般化
◆選択的抽出(心のフィルター)
自分に関連するわずかなことを取り上げて、抽象的に結論づける
「健康状態で気になる箇所があることで、こんな病気に違いない」
👉見逃している事実はないか? それが当てはまらない例外はないか?探してみましょう
◆結論への飛躍
根拠がないにもかかわらず、思いつきを信じ込む状態
【読心】
他者の心を根拠なくあたかも読み取って解釈しているようなケース。
「きっとあの人は私のことを嫌っている」
👉まずは、具体的な根拠に目を向けてみましょう。
・それは、どの様にわかるのでしょうか?
・根拠がない場合、どう考えることがあなたにとって望ましいでしょうか?
・根拠がある場合、それを踏まえてどうしていくことが望ましいでしょうか?
【先読みの誤り】
将来を悪く決めつけてしまうケース。
「私は生涯、不幸だ」
👉今の積み上げが未来をつくります。将来どうありたいのか、その為に今どうあるべきなのか、少しづつ向き合っていきましょう。
◆自己関連付け
良くない出来事を根拠なく自分のせいにしてしまう。
「グループの取り組みで失敗したことについて、私が悪いんです」
👉自分の責任と考えるよりも、どう問題を解決するのか考えてみることが望ましいでしょう
◆レッテル貼り
一つのミスなどで、ネガティブな自己イメージを形成する。
<極端な一般化と類似>
「またミスして、私ってほんとダメな人」
👉自分を×とジャッジしないように心がけましょう。
◆すべき思考
「すべき」「すべきでない」と考えてしまう。これができないことに、自己嫌悪、罪悪感を持ちやすい。社会や人の行動においても不適応状態を起こしやすいといえます。
「過ちは許すべきでない」「時間は守るべき」
👉自分の気持ちを許してあげましょう。また、人に自分の中のルールでコントロールしないようにしましょう。
◆感情的な決めつけ
自分の感情を理由にして、出来事や事実を意味づける
「不安だから、仕事が難しいのに違いない」
👉現実に目を向けて、客観的に評価しなおしてみましょう。