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Ⅱ.交流分析 – 3.交流パターン分析 –  相補的・交差的・裏面的交流

 

相補的交流(適応的交流)

ある自我状態から送られたメッセージに対して、『共感的な期待通りの反応・予想していた望ましい反応』が返ってくる適応的な問題の少ないコミュニケーションのパターン。

 

相補的交流(適応的交流)は相互理解や相互尊重を促進するコミュニケーションであり、コミュニケーションの結果として自己肯定や納得、安心、楽しさといったポジティブな感情を引き起こすことが多い特徴を持つ。

 

エゴグラムの図式では相補的交流は、『P⇔P ・ A⇔A ・ C⇔C ・ P→CとC→P』
というような平行線のやり取りで表現されることが多いので、平行的交流と呼ばれることもある。

 

交差的交流

ある自我状態から送られたメッセージに対して、それを否定するような反応を返したり、的違いで無理解な返答を返したりするようなコミュニケーションのパターン。
自分の期待していた反応が返って来ないので、そこで不快な感情と共にコミュニケーションが断絶したり、相手に対する敵意・怒り・不信感などのネガティブな感情が強まりやすくなる。
交差的交流は『相手の予想・期待を裏切る反応』を返していく交流パターンであり、精神分析でいう『転移(transference)』の防衛機制が関係していると考えられている。
転移とは幼少期に重要な他者(親)に向けていた強烈な感情を、現在の人間関係の中で他者に向け変えるという防衛機制であり、『過去の人間関係・感情体験』を再現することでつらい過去を肯定して心理的な安定を図ろうとするものである。

 

裏面的交流(仮面的交流)

相手の自我状態に対するメッセージに、『表層的なメッセージ(表の建前)』と『深層的なメッセージ(裏の本音)』が同時に含まれるコミュニケーションのパターン。
表層的なメッセージを介した人間関係は適応的で良好なものになりやすいが、そのメッセージの背後には『本音の意図・欲求・真意』が隠されているので、親密な人間関係を形成することは難しい。
裏面的交流(仮面的交流)は社交辞令のように表層的な親しさを演出する役割を果たしたり、明確な意図や計略を持って相手をコントロールするために表と裏の二重のメッセージを発信することもある。
裏面的交流では『表層的な建前のメッセージ』の背後に『潜在的な本音のメッセージ』が隠されているのだが、その隠された意図や目的、欲求は多種多様であり、場合や関係性によっては裏面的交流がポジティブな結果・感情をもたらすこともある。しかし一般的には裏面的交流は本音を隠した交流パターンであり、相手を自分の思い通りにコントロールしようとして不快な感情を味わうことになる『ゲーム』の原因になることも多い。
 裏面的交流の事例としては、一つの自我状態から表のメッセージと裏のメッセージを同時に送信する『シングル・タイプ』と、発信者と受信者がそれぞれ表と裏の二重の交流を同時的に行う『ダブル・タイプ』とがある。

 

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