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極端な一般化

認知行動療法でご説明している認知の偏りのパターンの「極端な一般化」についてのご紹介です。

 

ごくわずかな、またはたった一つの否定的な事実や体験を取り上げて、「絶対に~だ」「みんな~だ」「いつも~だ」と一般化して決めつけてしまう考え方です。たった一回または数回の経験や狭い範囲の出来事を一般化し、多くのケースや広く全体のこととして結論づけてしまいます。

極端な一般化思考のある人は、ミスをしたときに、「私はどうしていつもこうなんだろう」とか「私は何をやっても失敗する。これからも絶対にうまくいかない」などと考えてしまうため、自分を過度に責めてしまったり、次の挑戦を回避したりしてしまいます。

認知の偏り、マイナス化思考人間関係においては、「Aさんと喧嘩してしまった。他のみんなにも嫌われてしまったに違いない」「ラインの返事がこない。私は嫌われているんだ」「前の職場で仲間外れにされた。私はいつもこうだ。この職場でもきっとそうなる」などのネガティブな思い込みや決めつけをしてしまうことで、良好な関係の構築を難しくしてしまうことがあるかもしれません。

また、一部の若者の悪い面を見ただけで、「近頃の若者はなっていない」と決めつけてしまう、いわゆる「偏見」もこの極端な一般化に当てはまるのかもしれません。他者に対してこのような決めつけをしてしまうために、気付かぬうちに対人関係に問題を抱えてしまう人もいるようです。

うまくいく可能性が全くないわけではないのにも関わらず、わずかな失敗によりこれからも絶対にうまくいかないと決めつけてしまったり、明確な根拠があるわけでもないのに、一人とうまくいかないだけでみんなに嫌われてしまったと思い込んでしまう「極端な一般化」思考が強くなると、自分の思い込みをまるで事実であるかのように信じ込み自分を卑下して落ち込んだり、チャンスや可能性を自ら潰したりしてしまいます。また、中間を認められない全か無かのような思考につながりやすく、自己否定感が強くなることもあるでしょう。

時に私たちは、一般化して考えることで不確実な事柄に対する不安に対処して生きています。悪い方へ一般化することで危険から気を守ったり、つらい経験を繰り返したりしないで済んでいる場面は多くあり、一般化して考えることの全てが悪いわけではありません。また、今回うまくいったからこれからも絶対にうまくいく、などのように良い方へ一般化することで良い結果を得ることもあるかもしれません。

しかし、この極端な思考がくせのようになっていてうまくいかないと感じることが多いのであれば、少し見直してみるのもよいのかもしれません。

「絶対」「いつも」「みんな」このような言葉を発している自分に気づいたら、
・その考えに極端な思い込みはないだろうか?
・その出来事はそう考えるに足りる確かな根拠となるだろうか?
・そう言えないことはないだろうか?
・こういう知人がいたら何と言ってあげるだろう?
などと考えてみましょう。

今回ミスはしたけれど、ミスしないで出来たこともあったかもしれません。「絶対」「いつも」とは言えない部分に注目してみましょう。

ラインの返事がこないことで嫌われていると考えてしまうケースでは、一旦冷静になり、「嫌われているから」以外の返事がこない理由を考えてみましょう。冷静になることで、相手の事情が見えてくるかもしれません。

認知行動療法カウンセリング過去のネガティブな経験が今の出来事に影響を与えそうな時には、前回は前回、今回は今回と意識することで、今回を過去の出来事と結び付けないようにしてみましょう。

こうして丁寧に自分の心の動きを観察してみると、やや極端な思い込みによる一般化が無意識になされていることに気づくことが出来るかもしれません。それが今の自分を辛くさせるものであると気付いたなら、それを手放し、どのように考えて行動するのが望ましいのかを検討してみましょう。

これがあなたの大切な人の悩みであったらどの様に声を掛けるでしょうか?5年後10年後のあなたから今のあなたに声を掛けるとしたらどんな言葉でしょう?そのような問いの答えに、新たな考え方を見出すことが出来るかもしれません。

 

これら認知行動療法をカウンセリングの中で実践しすることができます。思い込みが強いケースでは、中立の立場のカウンセラーとともに取り組むことが大変有効です。「極端な一般化」が気になる方は是非ご相談下さい。

 

認知の偏りのパターン一覧

 

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